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ジリジリと照りつける太陽、耳障りなセミの声。
梅雨が明け、夏本番が間近にせまる。
この時期、学校中の部活動は一段と活気を帯びてくる。
運動部であれば夏の大会を目指し練習にいっそう熱がはいる。
文化部も秋の文化祭を視野に入れての活動が盛んになってくるのだ。
しかしそんな賑わいをよそに、ひっそりとそして…ひっそりと学校の門をくぐる生徒達がいる。
彼らはそろって同じ部活の名を口にするが、実際にそんな部活は存在しない。
その部活とは『帰宅部』。
呼んで字のごとく、帰宅する部活と言うことだ。
実際は帰宅せずに寄り道をする者が大半なのだが…。
彼らの共通点は一つ、どの部活動にも参加していないことだ。
つまり、無所属なのである。
一応彼らの名誉のために補足しておくが、無所属の理由は様々なのである。
塾に通うために時間を裂くことが出来ない者や、校則に反して秘密裏にバイトをする者、放課後に何故だかわからないけれど虚弱体質になる者や、学校帰り寄るところあり症候群など…。
そんな『帰宅部』部員の数名が、とある一室で夏休み前の密談を行っていた。
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