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「刃渡り15㎝未満だから大丈夫。って話そらさないで!」
先にそらしたのはお前だったと思うんだが…
「とにかく、私の夫ならこんなナイフぐらい寝ながらでも回避出来なきゃ駄目なの!」
他のやつが聞けばめちゃくちゃな言い分だが、残念ながら事実らしい。こいつと一年程一緒に暮らしている俺が言うんだから間違い無い。…間違いであって欲しいが。あぁ、どっかに人生のリセットボタンとかないのか?セーブポイント見付けた記憶がないからどこまでリセット出来るかは知らん。
「亜稀も起きてるから早く起きる!」
っと、危ない危ない。晴香の声でようやく現実に帰ってこれた。あのままなら、もう十分は現実逃避と人生の失敗点を考えている自信がある。もちろん、主にお前の事だ。あぁ、亜稀ってのは俺の妹だ。
「起きてるんじゃなくて、起こしたの間違いじゃ――」
「いいから起きる!」
おいおい、俺の言い分も聞かず暴力ときたか。結構固めだったから多分フライパンあたりだろう。何故持ってるかは聞くな。つーか考えるだけ無駄だ。こいつに一般常識は通用しないとみてオーケーだ。意外に痛いがこいつと違い朝から大声で暴れる程元気ではないので、仕方なく朝食を食べる為居間に向かった。
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