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しろ、シロ、白。 白 だらけ。 壁も、床も、あたしが寝ているベットも、シーツも。 白、白の塊。 あたしの頭の中も、ポカンと何かがぬけてしまって真っ白になっているような気がした。 ガラガラ、扉の開く音、あたしは目を向ける 「やっと起きたか。」 背の高い男、猫背で、どこか見覚えのあるような。 「ここは?」 「病院。」 そう答えると、彼はベッドの近くのイスに座った。 誰だったかしら。 あたしは思考を巡らせた。 「―――っ」 酷い頭痛。風邪、ひいたかも。 「どうした?」 「…頭、痛い。」 「先生呼んでくるよ、君が起きたことも知らせに。」 そう言うと同時に、彼は椅子をたった。 彼が部屋を出ると、辺りはシン―と静まり返る。 「あっ、…」 あたしは思い出した。彼は確か同じアパートの。 「公栢(くかや)さん。」 「なに?」 クスクスと笑いながら、公栢は病室に入ってきた。 後ろに白衣を着た中年のおじさんをつれて。
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