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"隅橋 健太
090-△△△-△△△"
「ん?
あたしこんなの落としてないぞ?」
「どうしたの?」
友達が聞いてくる
「なんか落とし物だって渡された紙に
男の番号書いてあるんだけどあたしこいつ知らない」
「なんて名前?」
「スミハシ?」
「隅橋健太?」
「うん、そう!誰これ」
「え、超イケメンじゃん!
普段はメガネかけてるから全然目立たないけど外すとかっこいいよ!」
「え、まじ~?ラッキー♪」
放課後―
駅のホームで電車を待ちながら
昼休みに登録しておいた隅橋健太の番号に電話をかけた
「‥はい」
「あ、もしもし、隅橋健太くんですか?」
「あ‥‥焼きそばパンとチョコムースは買えましたか?笑」
「え?何でそれを‥」
「君、有名だから♪」
「ってか‥もしかしてあんた‥」
「ピンポーン♪
そのもしかしてでした~♪」
背後からその声が聞こえたと同時に
携帯を取り上げられた
隅橋健太とは
あいつの名前だった
そして健太はあたしの携帯を勝手にいじっていた
「ちょっと、なに勝手にいじってんの!返してよ」
「ちょっと待って」
「はぁ?」
「よし!はい^^」
あたしの右手に携帯を置くと
自分の手にさげていたビニール袋を
あたしの左手に握らせた
「なにこれ‥‥」
「じゃぁ~にぃ~♪」
健太は反対側の電車に乗り込んでいった
ビニール袋の中にあったのは
チョコムースだった
学校の購買のじゃなく
ホームにあるお店に売られているチョコムース
「これじゃ‥だめだもん」
あたしは独り言を言いながら
自分の心がホッコリしたことが分かった
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