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序章 再び始まる非日常
昔、俺は自分の名前の事を聞いた事がある。
刀牙なんて名前、普通は浮かばない。
親は子の名前にそうなってほしいと言う願いを込めるらしいが、俺にはどんな意味なのか分からなかった。
親父は笑ってこう返す。
「我が家の先祖は名の知れた武家の人だったみたいでな、古い風習みたいなのがあったんだ。産まれた子が男の場合、武器の名前を付けるってな。だから俺も真矢だし、親父も剣治だろう?」
なんでそんな風習があるのかまでは分からなかった。あとはじいちゃんに聞けと言われた。
そんな事を、ずっとずっと、俺は忘れていた。
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