序章 再び始まる非日常

1/28
115人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ

序章 再び始まる非日常

昔、俺は自分の名前の事を聞いた事がある。 刀牙なんて名前、普通は浮かばない。 親は子の名前にそうなってほしいと言う願いを込めるらしいが、俺にはどんな意味なのか分からなかった。 親父は笑ってこう返す。 「我が家の先祖は名の知れた武家の人だったみたいでな、古い風習みたいなのがあったんだ。産まれた子が男の場合、武器の名前を付けるってな。だから俺も真矢だし、親父も剣治だろう?」 なんでそんな風習があるのかまでは分からなかった。あとはじいちゃんに聞けと言われた。 そんな事を、ずっとずっと、俺は忘れていた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!