第1章・ネコートちゃん

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(- 幕間~あるハンターの事始~ _-) ハンターズギルド下位の窓口は、今日も閑古鳥が鳴いていた。 ランクの低いハンターは年々減りつつあり、ここ最近は、今日みたいに誰一人来ない日も珍しくはない。 (……眠い) 下位窓口担当の受付嬢マリーは、強烈な睡魔に襲われていた。 それでも窓口に座って待機していなければならない、受付嬢のお仕事。 (……いゃんくっく) 重く感じてきた頭を、カウンターに片肘ついて支えてみる。 (……くしゃるだおら) ……とってもヒマなのである。 (ら?……ら~……らーじゃん) 「マリー、起きてる?」 「❗お、起きてるよ?」 同じくヒマしてた隣の上位窓口の受付嬢ネリーが、横から覗き込んできた。 「ね、最近アイツ来ないよね。またおサボかなっ?」 「あ~」 マリーは、ネリーの言う"アイツ"を思い浮かべた。 (確かG級クエストほっぽり出して、ネコートさんのクエスト請けてるんだっけ) 「マリーが元気ないのって、やっぱりソレ?」 イタズラっぽく投げかけられた言葉に、マリーは即答した。 「ヒマで眠いだけだから」 「はいは~い。あたしはヒマでも、元気にマリーをからかってるけどねっ」 「もう……」 マリーがウンザリしたところで、集会所に入ってくる足音が聞こえた。 ふたりの受付嬢は、会話を中断して、入り口に目を向けた。 (つづく)
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