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(つづき)
「ご主人様、お手紙来てたニャ🐱」
「手紙?誰から?」
Shinは訝しげに、ハンクの手にした手紙を見た。
とりあえず受け取り、差出人を確認してみる。
「……げ」
「ご主人様?🐱」
Shinは手紙をハンクに返すと、足早に自室に向かった。
(ヤバい、早く隠さなければ❗)
何かにせき立てられるように、ベッドの下へ潜り込み、雑誌の束を取り出す。
「とりあえず屋根裏へ……❗」
「忙しそうね」
Σ(゚□゚;)
鈴を鳴らしたような声が、突貫作業中のShinの背後で響いた。
「予定より1日遅れちゃった。心配した?義兄さん」
ギギギと、背後を振り返るShin。
そこには、もう会うはずのなかった義妹の姿が。
「や、やあ。ずいぶん早い到着だなsizuku(しずく)」
「早い?手紙読んでないの?明日到着予定って書いたはずだけど」
当然読んでない。手紙はさっき、ハンクが集会所で受け取ってきたばかりで、しかもShinは差出人しか確認していない。
それを察したsizukuは、溜め息をひとつ零すと、ベッドに腰掛けた。
「わたし、ハンターになったから、しばらくポッケ村に住む事になったの。それで、どうせなら義兄さんと同居するって内容を、手紙に書いて送ったのよ?」
「(^-^;)……なんだって?」
「だから、ハンターになったから同居するって」
「ええっ⁉無理無理❗」
Shinは慌てて拒否の意思を示したが、sizukuは笑顔でこう言った。
「認めないとソレの内容をマリーちゃん達にバラします❤」
その指先は、Shinの手にした雑誌に突き刺さっていた。
(さらにつづく)
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