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いやいやいや!!
クロード様を見ると、目が合った。
彼は口角をあげたまま私を見つめていた。
「夢を見たと思え」
「ゆめって!!」
光斗はナニナニ?という感じで私と彼を交互に見ている。
あー…もうここははっきりしとこう。
自分の現実が崩れる前に。
「とりあえずクロード様」
「何だ。」
「もう巻き込まれるのは嫌なので、人間界のどこでも良いからうち以外のところに行って。」
私は本気で彼を見たが、さも可笑しそうに口を歪めていた。
な、何で笑うの---!?
そして私の唇にそっと魔王様の親指が触れる。
ちくり、と唇の傷口が痛んだ。
「それはできぬ。」
「!?」
「忘れたのか?
お前はもう私の一部なんだから---」
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