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翌日の11月22日の昼から個室へ移動になりました。
今日ばかりは、お兄ちゃんの統麻も病院へ連れて行きました。
今までいた部屋から個室への移動はベッドごとの移動でした。
翔麻は呼吸器も付いてるし、色んな機械や管があったため
ベッドでの移動が翔麻に負担を掛けないで済むからです。
私は小橋先生や看護師さんがベッドを運んでいる時に無断で統麻を近くに呼びました。
お兄ちゃんにとっても翔麻にとっても、これが最後のお別れだと思ったからです。
スロモーションのように見えました。
統麻がベッドの中の翔麻を覗き込んで見つめていました。
ベッドは個室へと「早く!」と言わんばかりに移動してたにも関わらず
翔麻もお兄ちゃんを見つめているような不思議な感じで、ゆっくり時間が流れました。
病院内の雑踏や話し声も耳には入りませんでした。
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