ずっと一緒にいたかった

分娩後

まだ分娩室にパパといると、小児科の先生が来ました。

「小児科の小橋です。
今日は当直だったので赤ちゃんを診させていただきました。

僕が赤ちゃんの担当医になります。

よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

パパと二人で挨拶しました。

「赤ちゃんですけど…本来なら分娩室で少し抱いてもらったりして、一緒にすごしてもらうんですが…

仮死状態で生まれて来ましたので、すぐにNICUに連れて行き現在治療中です。

お母さんが分娩室から出れるようになったら、１度赤ちゃんに会ってもらおうかなと思っています」

先生が説明してくれました。

「あの、赤ちゃんの今の状態を簡単でもいいので教えて下さい」

私が少し体を起こして言いました。

「そのままで結構ですよ。お母さんは看護師さんでしたね…

赤ちゃんは生まれてすぐ呼吸状態が悪かったので、挿管しました」

「え！？」

その言葉を聞いて私はショックを受けました。

パパは「何それ？」と言わんばかりの顔をして、私を見つめました。