拒絶と怒り

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5月11日の死の宣告から私は日記を開くこともできませんでした。 いえ、一度は開いたのです。 しかし、怒りと拒絶感で支配されている脳では考える事が麻痺されて 『5月11日』 とだけ書いたものの 白いページを隙間なく黒く殴り書きをしただけでした。 その日の日記のページはボールペンの筆圧で今も歪んだままです。 もう書かない… 書けない… 絶望… そして、『なぜ私だけが』という怒りの感情しか持てなかったのです。
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