ハジマリのウタ

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初めて人と一緒に草村を走り抜けた。 いつも一人で走ってた草村を誰かと一緒に走る。 それだけで楽しかった。 嬉しかった。 走り抜けていくとバサッバサッと頭上から羽をばたつかせた音がした。 影とともに舞い降りてきた、怪鳥イャンクック。 来たー!!! 心臓がばくついた。 人と一緒に戦うのも初めてだ。 どうしたらいいのか、どう回ればいいのか、わからないまま… いつものように大剣で切り付けた。 裸の彼女は隙ひとつない感じでイャンクックの足元に転がり込み、何度も切り付け、たまに離れ砥石で刃を素早く磨き、また転がり込み切り付ける。 すごい… 回復薬を全く飲みもしない。 あたしも見とれてる場合じゃない。 すでに尻尾に叩かれ、たまにくちばしで突かれ、結構なダメージを受けてた。 なんだか…オフラインより…強い??… 回復薬が切れた頃、イャンクックも息絶えた。 ほとんどを裸の彼女が一人でやったようなもんだった。 倒せちゃうのか…!! この人最強だ…!! (後にそれくらいはみんな朝飯前なんだと気づく(笑)) 「ありがとうございました!強いですね!」 クエストから帰ってきて裸の彼女に声をかけた。 「これぐらいみんなできるよ~♪」 と簡単に言う彼女。 ほぇ~…あたしなんて本当にまだまだだな… なんだかすごいものを見せられ、興奮が鳴り止まなかったのを覚えてる。 「あたしもいつかあんなふうに戦いたい!!」 自分にどんどん火がついていく。 知れば知るほどにおもしろくなって 更に見たくなる。 追求したくなる。 まだまだ、知らない世界が広がってるはずだ!! 「そこを見たい!!」 強く願い、必死になった。 このあとにいろいろな猛者に出会うことを、この時はまだ知るよしもない。image=345070766.jpg
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