†第一章†

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臨時放送 ある男の話 ある日、テレビの前で番組を見て、そのまま寝てしまった。 ふと真夜中に目が覚め、テレビを見るとカラーバーが映っていた。 「やっぱりこの時間は放送やってないな」 そう思いもう一度寝ようとしたら、急に画面が切り替わり、ゴミ処理場が映し出された。 そしてテロップに〇〇〇臨時放送と出て、ひたすら処理場を遠景で映し続けていた。 なんなのだろうと思って様子をうかがっていると、画面の下から、人の名前がスタッフロールのようにせり上がってきた。 抑揚のない声でナレーターがそれを読み上げていき、バックにはいつの間にか暗い感じのクラシックが流れていた。 だいたいそれが5分くらい続いただろうか、最後に、 「明日の犠牲者はこの方々です、おやすみなさい」 と、抑揚のない声がそうつげると、テレビの画面はカラーバーに戻った。          END
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