第三章『たまには、楽な仕事がしたい!』

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 勿論、それをしたのはレーラ1人だけ。いつの間に抜かれたのか、腰で構えられたリボルバーの銃口から硝煙が上がる。  銃を抜き、ハンマーを起して撃つ。この一連の動作を、刹那で行う”クイックドロー”による早撃ち。それが彼女のもっとも得意とする戦闘スタイルだ。  距離にして5メートルの位置で倒れるフードの1人を見下ろしながら、空から降ってきた日記と手帳を投げた時と同様に左手で受け止める。  だらりと右手を下げながら、 「さぁ、次は誰かしら?」  静かに恐ろしい声音で残りのフード集団に問いかける。  身動き一つせず動かない両者。  残りの数9。それに対して、どう戦うか? 日記と手帳を腰のリボンに隠しながら頭を巡らす。  彼らは一体何者なのか? 相手の素性や腕前どころか、そこから集団による連携の錬度は未知数。本来なら、ある程度の相手ならば相対するだけで、その腕前は図ることが出来る。そうだというのに全く分らなかった。
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