第三章『たまには、楽な仕事がしたい!』

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 今倒れているフードからすると、それなりに出来る事は動きで分かる。そう考えると能力は低くはない。だからといって、手に負えないほど高いとわけでもない。  リボルバーのシリンダーには残弾5発。  仮に、全弾を1発ずつ使って5を沈黙させられる。だが、残りの4をどうやって対処するかが問題だった。  こう視界の開けた場所では、遮蔽物に隠れながら新しい弾を装填する事は出来ない。オマケに、あの瞬発力と速さでは苦戦を強いられるだろう。  ギリギリ勝てるか怪しい。  それでも今まで多くの死線を踏んできた身である。この程度で臆する事はなかった。  ――しかし、ここで不測の事態がレーラの身に降りかかってきた。  足元で何かが動く気配を感じる。  今ここで目を外すのは危険だと思ったのだが、何だか嫌な胸騒ぎにから見ずには居られなかった。  ゆっくりと視線を下へと持っていくと、そこには信じがたい光景が映っていた。
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