第四章『狙われているマシュー』

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 何かと思って振り返ってみると、立ち上がった奏が近づいてくる。  目の前まで来るのを待つと、 「もし良かったらなのだが、レーラ殿。コレを持って行かぬか?」  何かを差し出してきた。それは、シリンダー2回分の計12発の弾丸だった。  数あるうちの1発を摘み上げたレーラは、 「……何コレ?」  観察しながら思わず呟く。  それは一見すると、普段使っている弾丸となんら変わりはなかった。弾頭は先端を平面に切り落としたフラットノーズ型。持ってみた感じから、火薬の量を変えた強装弾や弱装弾という訳でもない。  無論、この辺の知識を銃に関して素人な奏が知っているとは思えなかった。 「どう見ても、普段から私が使っているのと同じじゃないの?」  これ見よがしに弾を弄んでみる。
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