第四章『狙われているマシュー』

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 あえてこちらから動くか?  人気のない建物の中に入って、その隙に装填し直し反撃する。これなら、確実と言ってもいい作戦だ。しかし、ここら辺4ブロック先まで住宅街ばかりで、そういった使えそうな建物は何処にも見当たらない。  そうして考えている間に、敵が一斉に動き出した。  考えていたら殺られる! 「ッ!?」  そう思ったレーラは反射的に反撃した。  何も持っていない左腕を振り下ろすと、袖口からバネ仕掛けのギミックによって、隠し持っていた一振りのナイフが飛び出し、その柄を掴んで構える。  1体目の木人形が鉤爪で、正面から攻撃を仕掛けてきた。  初撃を逆手に持ち直したナイフで受け、重心移動で接点をずらして外へと反らす。その動きのまま銃を目の高さで構えると、襲い掛かろうとする木人形たちの足元に向けて、数回トリガーを絞った。  放たれた銃弾は地面へと着弾し、敷き詰められたレンガ群を粉砕する。
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