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(何だか嫌な胸騒ぎがするな)
事務所の窓辺で、難しい顔で奏は外を見下ろす。
なぜだか分らないが、急に落ち着かなくなったのだ。お陰で、先程から何も手につかず、不安で仕方がない。
こんな気分になるのは、いつ以来だろうか?
自分でも忘れてしまうくらい前のはずだ。しかし、今こんな風になるのはレーラの事だろう。
「あれを渡してはみたが、無事に切り抜けられるかどうか」
前から準備はしていたが、十数発だけしか弾の作れる時間も余裕もなかった。
射撃の腕は重々承知していたけれども、渡した以上の数が相手ではどうにもならない。もしもの時は、ここまで逃げ帰ってさえこれればいい。
そんな思いで見続けていると、
「今日は珍しいですね、奏さん?」
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