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だが、敢えて何も言わず視線を外へと戻す。
すると、どこか頼りない足音を残してマシューは席に座ると、背後からお茶を入れる音が寂しげに聞こえてきた。
(何をしているのだろうな、拙者は……)
窓枠に頭を着けながら、自問自答する。
(こんな姿をレーラ殿に見られたらどう思われるだろうか? たぶん、笑って『何やってんのよ! いつもの奏らしくないわよ!?』と背中を叩かれそうだな)
そう考えていると、口元が勝手に笑みを作る。
少しだけ気分が楽になった所で、どこからかこちらを伺うような視線に気がついた。
(誰だ?)
警戒しながら探して、すぐに見つけた。道の真ん中で、こちらを見上げる者の姿があった。そして、その何者かと目が合うが、それも一瞬だった。
「………………」
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