第四章『狙われているマシュー』

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 何を思ったのか、ゆっくりと奏は窓から離れる。それから、壁に立て掛けてあった愛刀を手に取った。  打ち刀――会津兼定を、刃が上になるように左腰へ差す。もう一振りの太刀――九字兼定は、刃が下になるよう同じく左腰に革紐で提げる。そして、最後に羽織を着て準備を整えた。  そうして身支度を整えた奏に、 「どこか行くんですか、奏さん?」  流石にマシューは気になって質問した。 「あぁ、少しばかり外へ空気でも吸いに行こうかと思ってな」 「そうですか。いってらっしゃい」  そう答える奏から顔を逸らすと、バツが悪そうにカップの中に視線を落とした。  どうやら、先程の事を気にしているようだ。だが、こちらとしては自分が悪いので気にする内容ではない。
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