第四章『狙われているマシュー』

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「何を言っている。一緒に行くのだぞ、マシュー殿も?」  だから、無理やりその腕を取った。  いきなり掴まれたマシューは目を白黒させる。 「え? いや、……あのっ」 「さぁ、行くぞ」 「えぇ~~~~~~!?」  何も分らず混乱する彼を、ズルズルと引きずって事務所を後にした。  共用階段を下りて行くと、 「あの、奏さん! きゅ、急にどうしたんですか?」  引っ張られるマシューは、危ない足取りで質問した。 「いや、なんて事はない。さすがにマシュー殿も、四六時中、あそこに居ては息が詰まるのでは? と思ってな」
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