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悲鳴にならない短い声を漏らして、怯えるように顔を歪めて肩を縮ませる。
それに反応して振り返った奏は、2人の間に入るか? と前へ向き直ると、いつの間にかヴァイナモがこちらを見ていた。
「――のだが、お前は俺を楽しませてくれるのに値するのか、宮下 奏?」
「ふっ、バトルマニアの類か」
ニヤッと口元を歪めるヴァイナモの笑みに、嘆息するように首を左右に振る。
「まぁ、いいだろう」
そして、顔を上げて真っ直ぐ向かい合うと、
「このまま何もせずマシュー殿を連れて行かれては、帰って来たレーラ殿に怒られるだけじゃ済まないだろうからな。それに……お主のような輩を相手するよう言われている。だから、ここは拙者がお相手致す!」
声を張り上げて右肩を前に出すよう斜めに身構える。
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