第四章『狙われているマシュー』

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「ッ!?」  それに少し遅れて奏も踏み出す。  下段の刃を地面に這わせながら、間合いを詰めて先制を取ろうとする。しかし、先に制したのはヴァイナモだった。 「うおおおおおお!!」  横から薙ぎ払うように、両刃の剣が襲い掛かってくる。  その渾身の一撃を、 「ぐっ」  急制動を掛けて、後ろへと奏は逃げた。そして、遅れてくる切先が、揺れ上がる胸元スレスレに間一髪で空を斬る。  ここから足腰に負担は大きいが攻めて行く。その場で踏み止まり、重心を低く前へと出た。そして、無防備な胴を狙って、スレ違い様に斬りつける。しかし、金属と金属がぶつかり合う音が響いた。  太刀が捉えたのは、いつの間にか手元に引いていたヴァイナモの両刃の剣。
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