第四章『狙われているマシュー』

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「そうだな。では、そうさせて貰おうか」  手を借りて立ち上がる奏。この時フラフラだったが、真っ直ぐ2人は正面玄関へと進んでいく。そこで、ふと彼女は思った。 (やっぱり……男の子だな、マシュー殿)  見てくれは女の子でも、やっぱり中身はちゃんとしていた。  思わず可笑しくて笑みが零れそうになったが、それは一瞬で隠れてしまう。  このままではマズイ。標的になっているマシューの居場所がばれてしまった。こうなってしまうと、相談するにはレーラに話さなくてはならない。  それを考えると、どうしたモノかと苦笑を浮かべて、こめかみの痛くなる奏であった。
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