第四章『狙われているマシュー』

34/58
前へ
/287ページ
次へ
「ふぅ……危なかったぁ~」  一息吐きながら銃をホルスターに戻す。  倒した木人形たちを調べようとしたが、そこの地面にはいつの間にか何もなくなっていた。痕跡の1つくらいあるかと思ったが、やっぱり何もない。  そんな出鱈目さに深い溜め息を吐くが、こうしているだけで有難いと思う事にした。  あそこで助けて貰えなかったら、本当に危なかったとシミジミ思う。だから、助けてくれた人物にひと言お礼が言いたかった。だから、先程の人物が居た方へと視線を向けなおした。すると、こちらに向けて誰かが近づいてくるのが見えた。  一体どんな人物なのかとドキドキしながら待っていると、互いに誰だか確認出来る位置まで来た所で一変した。 「あ、アンタは!」  期待していた表情を崩して、悲鳴じみた声をレーラは上げる。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加