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「いや、拙者が止めた理由は少し違うんだが……」
「何をゴチャゴチャ、ワケ分んねぇ事言ってやがんだよ!?」
もう、我慢の限界だった。
それを少女も感じているのか、先ほどから小さく肩を震わせている。
「どうなってもかまわねぇ! このガキも道連れにしてやるぜぇ!!」
男がナイフを今まさに振り下ろそうとした時。
腹の底に響く雷鳴のような破裂音が響く。
次の瞬間。
男が持っていたナイフの刃が根元から砕かれた。
一体、何が? とワケも分からず彼は柄だけになったナイフを見つめていると、その視界の端から何かが入ってきた。
厚みのあるウェイトを下部に装備した厳ついバレル。その先に開いた穴から、ユラユラと硝煙が立ち込める。
それは銃だった。
さっきの音とナイフを砕いた正体は、コレだと彼は理解する。
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