その名はクロネコ

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「……なんだ?ヒゲが」 少年は頬に手を添える。 頬から顎にかけて斜めに入った傷。 それは未だ何かに反応しているかの如く、熱を帯びていた。 少年は振り向き、街を見る。 「まだ……いるのか」 少年は銃を構え、街の中へと歩みを進めていった。 「うわー……何あれかっけー!!」 街の一角。 丁度広場であろう場所の隅に、幼い子供は目を輝かせながらあるものに見入っていた。 「あれってスケルトンかな……」 骨だけの体、手には錆びた剣と盾。 間違いない、スケルトンだった。 「なにしてんだろ……よーし!」 幼い子供は広場の隅を移動し、こそこそとスケルトンの近くまで接近する。 (うわ、うわ!!やっぱり骨だ!すげー!!) 遂には二人の距離が数メートル程度しか離れていない程に近づく。 幼い子供はすっかり警戒心をなくしていた。
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