その名はクロネコ

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「ちょっとだけだよ?」 少年は差し出された両手に銃を優しく置いた。 「わっと!!」 セリムは予想外の重さに銃を落としかける。 恐る恐る上目遣いに少年の顔を伺うが、少年が怒っている様子はなかった。 セリムは安堵し、再び視線を手に持った銃に移す。 「……かっくいー……」 「それの名前は光銃オルベル。光銃コルタニアに次ぐ上位器なんだ」 「光……銃……?」 セリムは少年を見上げ、小首を傾げた。 「光器はわかるよね?」 「うん、最近でてきたやつでしょ?便利だからみんな魔法を使わなくなったし」 「うん、その光器の中には武器として扱うものもあるんだ。その中の一つがそれ。もっとも、適性と訓練が必要だけどね?」 「へぇ~……」 セリムはまじまじと銃を見つめる。 「お兄さんはこれでスケルトンを倒したんだ!!」 「うん」 少年はしゃがみこむと、セリムの頭を撫でた。 「ありがとう、無事でいてくれて……」
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