六年前の約束

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コンコンと木製の扉がノックされる。 「ん?」 カーネルは手に持った新聞を置くと、ドアノブに手をかけた。 「カーネルさん、こんばんは」 「おぉ、セリム。何だこんな時間に?それにその荷物……」 「今までお世話になりました!!」 セリムは深々と頭を下げる。 何事かと一瞬狼狽するも、カーネルはすぐに悟った。 「……本当に、行くのか?」 セリムは真っ直ぐな目で頷いた。 カーネルはやれやれと頭を掻く。 「やっぱり親子だねぇ、その目は……」 そういうと、カーネルは一度宿屋の奥に行ってしまった。 再び戻ってきたその手には、小さな石。 青く光る、透き通った石だった。 「これは?」 「お守りだそうだ。息子が立派な男になったら渡してくれってな」 「父さん……?」 「あぁ」
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