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小さな明かりが点々と灯り、小さな町は夜を照らしていた。
町は静けさに包まれ、人の姿はほとんどない。
いるのは、1人の少年くらいだった。
「“ひげ”が……反応してる……」
銀髪の少年はぽつりと呟き、町の中に足を進める。
少年は何かを探しているようだった。
ミシュレット花屋、ジムのパン屋さん、服屋ロイン……。
どれも違う。
歩きまわって数十分……。
「あった!」
そこは小さな宿屋だった。
少年は宿屋の扉を開いた。
「いらっしゃい!」
同時に中から男性の威勢のいい声が出迎えた。
「お一人様かい?ん……、あんた見ない顔だな」
少年はドキッとし、視線を泳がせた。
尚も男性はまじまじと少年を見つめる。
「黒い服、黒い手袋、黒い靴……。あんた黒一色だな!」
「はい……」
「まるで、黒ね……」
言いかけて、男性は言葉を止めた。
再度、男性は少年を見つめる。
「あんた……もしかして、“アレ”か?」
少年は俯き、小さく頷いた。
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