その名はクロネコ

7/15
前へ
/96ページ
次へ
しかし、先程の彼とは違い弱々しさが感じられない。 静かな気迫がビリビリと伝わってくるようだった。 (何だこいつ。さっきとは別人みてーじゃねーか) 「おい、クロネコの小僧」 その声にピクッと反応する少年。 目が合う。 遠目でもはっきりとわかる。 少年は目を逸らさずにどんどん近づいてきていた。 その静かな迫力に圧倒されそうになるが、男性にもプライドはある。 (突き飛ばした奴に物怖じしてたまるか!) 男性は半分意地になって意味のない張り合いをしていた。 しかし、そう思っていたのは男性だけだった。 「何してるんですか!?早く宿に戻って下さい!」 「………………へ?」
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加