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校門をくぐった俺たちは、靴を履き替えて、掲示板のある1階ホールへ向かった。
理由はもちろん、先ほど海奈が言っていたクラス発表を見に行くためだ。
「うおっ!?」
俺たちが向かったホールの掲示板前には、あり得ないほどの人集りが出来ていた。
「なんつー人の多さだよ。こりゃもうしばらく待たなきゃ見れそうにないな。だっりぃな。」
「ホント、多いね。これじゃクラスを1つ1つ回ったほうが、早いかもね。」
各クラスの教室の扉に、クラス名簿が貼ってあるからそこでもわかるんだが、いちいち見て回るのもめんどくさいし、かといって、ここでただ待ってるのもなぁ。
「う~ん。」
悩んでいると、後ろから
「なにが、う~んだよ!」
いきなり背中を、はたかれた。
「いってぇー。」
はたかれたところをさすりながら、後ろをふりむくと、そこには、
「お前は、もっとフツーに挨拶出来ないのか?」俺の1年のときのクラスメートである、『陣内凄』(じんないすさ)が憎たらしいほどの笑顔で、立っていた。
「なんのようだよ、俺はこれから自分のクラスを確認しなきゃイケないんだ。」
はたかれた仕返しと言わんばかりに、手でシッシッとどっか行けの意志表示をする。
「んな、冷たくすんなよー。お詫びに良いこと教えてやっからさ!」
俺の態度を気にするようすもなく凄は、笑いながら肩を叩く。
凄が、こういう奴なのは、1年間一緒だったからよく知っているさ。
笑顔がたえなくて、周りも笑わせる……なんつーか、よく言えばムードメーカー、悪く言えばお調子者だな。
そういや、1年のときに1番気があったのは、凄だったな。
「んで、良いことってなんだよ?」
「ふっふっふっ、なんとここにいる3人、神崎、神倉、陣内は同じ2年E組なのだよ!」
凄は、堂々と言い放った。
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