誇りを賭けた戦In青光

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「にしてもなぁ~、本当大希はよく頭が回るな。まさか合図があれだとはなぁ」 「まああれにもちゃんとした意味があるんだ…」 「…て、てめぇら…ふざけんじゃねえぞ!」 突然さっきまで倒れ込んでいた石瓦が俺達のところに突っ込んできた。 「ありゃゃ?ちょっとやばいな」 「大希………下がってろ……」 「お、おぅ」 俺はメロンパンを抱え、恭也の後ろに走った。 恭也は深呼吸をしていた。って集中してることは…まさか……本気か? 「うぅおぉおぉぉ ー」 やばっ。 石瓦の奴かなり頭に来たらしく、 顔真っ赤にして俺の前にいる恭也を殺ろうと猛ダッシュしてやがる。 「恭也~大丈夫か?」 「……………」 反応無し、ってことは恭也もかなり集中してるってことだな。 「死ねぇえぇぇえっ!大峰!」 石瓦が恭也に向かって渾身のパンチを放った。 「うぉりゃやッ!」 危ない!俺がそう思った瞬間、、 「……大振りすぎだ……」 スカッ… 恭也はしゃがみ込みパンチを避けた。そして、 「……じゃあな……ふんッ」 『『『ドスッ』』』 石瓦の鳩尾に恭也の右ストレートが炸裂した。 「ごふぅ……がはぁッ……」 石瓦は膝から倒れ込み呻いていた。 「今度からは待ち伏せは通用しないからな」 「…………うぅぁ…くそぉぅ……」 そのまま廊下に倒れ動かなくなった。 俺は恭也に近づき石瓦が動かなくなったのを確認した。 「今だに動体視力は衰えてないな。 それよりこいつ大丈夫?死んでない?」 「大丈夫だ。ちゃんと手加減したから2時間ぐらいしたら目が覚めるだろう」 おいおい、それは手加減とは言わないと思うけど…。 「やっぱり親父さんと爺さんに鍛えられた力はまだ落ちてないな」 「まあ……そうだな。 でも大希、あまりその話はしない約束だぞ」 「あ…すまん恭也つい」 またやってしまった。恭也の前で親父さん達の話はNGだった。
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