つまりの原因

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ま、一応不良さん達の名誉挽回のために言っておくが、どの不良さんも穴がありゃいいって人間ばかりじゃないと言っておこう、うん、これで悪口とプラマイゼロになるだろう、ってかなれ。 まぁだからと言って俺みたいに裏側に人がいるかもしれないという危機感を持つのが普通でしょうよ、これ常識。 そんなこんなで思い付いてしまった俺は単なる秀才なのかもしれない……嘘ですごめんなさい、秀才だなんて偉そうなこと言ってすみませんでした。 そうとなれば実行するのみ、俺は佐波さんが見える位置から少し離れた木の影辺りで身を潜ませて深呼吸、そして思い切り息を吸い込んでから大きな声を出す為に台詞を思い出す。 「変質者がいるぞー!!!」 建物に反響し、遠くの方まで聞こえる俺の声、佐波さんを木の影から見ると案の定驚いたのか、俺の部屋の窓枠に掛けていた手を離し、ロープから急いで降りると回りをキョロキョロと伺い始め、複数の足音が聞こえたのか即座にその場所から撤退した。 見たか俺様の力! これぞまさに究極、もっともポヒュラーで騙されるはず無いだろうと思いがちのそこのアナタ、出直してらっしゃい。 用はねこだましや膝カックンと同じで、急にやられたらかなり焦るもっとも古い方法、だがかなりの確率で成功する、あれだね、人間なんでもシンプルが一番だね、シンプルイズベスト。 少ししてから現場にやってきたのは部活中だったであろう運動部の数名がやってきて辺りを見回していた、どうやら運動部員達は俺に気づかない様子、ぶつぶつと文句を言いながら撤退して行ったのを見送ってから俺は木の影から出てきてロープ周辺を見渡し目当てのものを見つけると鞄の中に押し込み、ロープを登って部屋へ帰宅、靴を脱ぎロープを回収してから服を脱ぎ部屋着になる、眼鏡をいつもの黒縁眼鏡に変えてから携帯を取り出して天羽君に連絡することにした。 「はろはろー、天羽君げーんき?」 『えぇ、一応元気ですよ、どうしました、先程先輩にあったばかりなので正直声も聞きたくない状態なのですが』 「やーん、イケズ、せっかくモジャ公の事で面白いことあったのにぃー」 『……話してみてください』 「OK、話すよ」 天羽君の殺気だった声を聞き、ニヤリと笑ってから事の詳細を説明をすると電話越しの天羽君は小さな声でぶっ殺すやらなんちゃら末恐ろしい事を呟いていたがこの際総無視の方面でいこうではないか、うむ。
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