原因根絶、時々学園祭

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弥彦先生はいつの間にか教室に入ってきて、いつもの位置である教壇に立っていた。 見た目の印象は……バリバリのキャリアマンのような風貌だ、髪は乱れてないし服装はちゃんと気遣っているのが伺える。 神経質そうな顔をしているがそうでもないのが驚きだ、まぁ見た目だけだと若社長のような感じ、はっきり言って初見の人間だと弥彦先生は近寄り難いだろう、俺もそうだったし。 「これからHRを始める、文句のある奴は切腹か首吊って死ね。意義を唱えるヤツはいるか」 「「「いないでーす」」」 「ならいい、では今日一日でやらねばならないことを今から言うから暗記すること、聞き逃したりして再度説明してくれと言われても言わないので周りの奴らに聞くこと」 「はーい」 「まず……」 こーゆーところもあってか俺のクラスの連中は弥彦先生が大好きだ、特に真顔で怖いことを言うのがいいよね、俺先生大好きだわ、無論アニメや漫画やラノベの二の次三の次辺りだけど。 眠いのもあるせいか、弥彦先生の話しが耳から入っては出、入っては出の繰り返しで頭に残っていない、ただ先生の方を見てるだけで内容なんか聞いてなかった。 マツリつんのキュート過ぎる笑顔が頭から離れなくて微妙に気持ち悪い笑顔を浮かべているといつの間にかチャイムが鳴った。 「――と言うことだ、では今日も一日、目立たず注目されず普通に過ごすように、以上」 「はーい」 誰かがいい子風に返事を返すと先生は苦笑を浮かべて教室から出て行った、HRとあまり変わらない雰囲気の中、背中に違和感を感じた俺は振り返る、すると退屈そうでもありふて腐れているようでもあり飢えているような表情の松方が俺の背中をシャープペンシルで激しく突いていた。 「あーあ、神原のせいで俺怒られたじゃん」 「お前のせいで俺怒られではないか」 「微妙にパクるな」 「……てへっ」 「キモッ、キショ、俺の半径5000m以内に入って来るな、お前のすっからかん頭脳が移る」 「そりゃどうも、ほーら、広がれすっからかん頭脳の輪、アニメと漫画とラノベを愛する人々の輪」 「黙れ」 「オマエモナ」 「おーい、学祭どーすんだよ」 「「はぁ?」」 悪口のラリーをしていた俺らの間に割って入ってきた委員長が素っ頓狂な事を言ってきた、まてまてまて、新入生歓迎会はどうなったんだ。 「新入生歓迎会はどうなったんだよ」
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