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「……お前ら先生の話し聞いてなかったろ」
「悪かったな、んで、どーなってるわけ?」
松方の言葉に同意するように頷き、俺が委員長に尋ねると委員長は深くため息をついてから話しはじめた。
「今年の新入生歓迎会は9月に行うらしい、馬鹿な生徒会委員がもじゃ公のケツ追っかけてて資料制作とか議案書すら作ってなかったらしい。んで、先に学祭するんだと、とんだ馬鹿の集まりだよな、んでクラスの出し物と女装コンテストのエントリーをクラスで一人出さないといけないらしいぞ、まぁそこは公平にじゃんけんだな……ってコト、目立たないことしたいなら目立たない案を出してくれってことでお前らの下らない悪口ラリーを中断させる目的もあって話し掛けたんだよ、とりあえず案出せ」
長々と説明されてから改めて思ったこと、やっぱりあの生徒会(天羽君やチェシャ猫先輩を除く)馬鹿だよなー
はっきり言って美形でもイケメンでも可愛くても仕事が出来なきゃ居る意味がない、学力やカリスマ性があったとしても性格がガキのままだから一部の生徒から蔑まれたりするんだ。
「ってかかなり違和感がある言葉……というかワードがあるんだが。なぁ委員長、女装コンテストってなんだよ」
「書いて字のままの意味だが、立候補する生徒は皆女装、そしてミスコン的なノリで票をいれて競うんだろうよ」
「俺はやらん、作家活動に支障が出るからな」
「卵が何を言うか」
「……んだと」
松方の疑問にあっさりと答えた委員長の恐ろしい言葉、世の男子はやはり女装なんて真っ平御免と言うだろう、松方はキツイ口調になりながら拒絶するが俺は挑発するように松方に言葉を投げかける。
「怖いんだろ、経歴に傷が付くのもそうだけどね」
「……そこまで言うならお前が出ろよ、神原」
「……わかった、けど条件がある」
「条件だぁ? 嘗め腐ったことばかりほざきやがって」
「出たく無いって我が儘言っている奴らよりかマシだろうが、とりあえず俺が出る、わかったか委員長」
「クラス的にはいいが……その条件にもよるな」
「簡単だよ、俺の名前を出さずにエントリーする、そのかわりと言ったらアレだが……優勝しても文句言うな」
「ばっ!!」
「馬鹿なことを言うな! そんな事をしたら俺達のクラスがヤバくなっちまうだろうがよ!」
確かにそうだ、Bクラスから優勝者が出たら大変なことになってしまう
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