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深呼吸
「本日は、大変お忙しい中、全国の警備、警察業務に携わる企業、団体のトップの皆様に御参集頂き誠に有り難うございます。
今我が国は最大の危機を迎え様としております。
まずは、お手元に有ります資料をご覧下さい。
…………ザワザワ・ と、ざわめきが起こった。
その資料はお持ち帰りに、なりません様お願い致します。
メモ、撮影もお止め下さい。
では、警視庁公安部
外国人犯罪捜査2課、課長、山内よりご説明致します。
「…皆様‥始めまして山内です…
…我々は、今こそ官民のあらゆる枠を超えて、力を合わせる時が来たと思っています。
否、そうしなければ、奴に勝つ事は到底無理でしょう
奴…それは…我が国の恥部。始まって以来の最大の汚点、否、幾つ言葉を重ねても足りません。
‥このままでは世界に対しても申し訳が立たない…。
そう!この汚名を注ぐ方法はただ一つ。奴を!この男をこの日本で捕らえる事のみ!です」後ろのスクリーンをバンと叩いた。
すると間髪入れず「そうだーそれしかないぞー~」
ワァッと、歓声と拍手が起きた。
ヤラセ:と判っていても拍手に満足気な山内だった。
「次の奴のターゲットはこの日本である事は間違いないと、CIA他、各国の諜報機関から情報が来ております。
何としても奴を捕らえて、世界中に我が国の治安維持能力を見せつけてやろうではありませんか!!」
「そうだーそれしか無いぞー」
又声と拍手が飛んだ。
山内は静粛に、とジェスチャーすると場が静かになって行く。
「では具体的に戦略と皆様にご協力頂きたい部分のご説明に入らして頂きます。えーまず~…」
計算された見事な誘導と演出で熱気と一体感を孕んで会議は警察主導で進んで行く。
そこにいる関係者達は皆これから恐ろしいい事態に巻き込まれて行くのに気付きもしていなかった…。
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