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放課後という時間、学校の授業の時間が終了した後の時間帯に『北畠 伸宏』はとある場所へと歩いていく。場所は保健室の隣にあるカウンセリング室だ。
人気(ヒトケ)が殆ど感じ取れない廊下、窓の外。伸宏は静かな廊下を歩き、薄暗いカウンセリング室の前に来た。
「………」
時計を見る。時計は5時丁度を指している。
「時間だ」
引き戸に手を掛け、ドアを開ける。
「おや、来たね」
部屋に入ると、一人の白衣を身に纏った女性が椅子に腰掛けていた。まるで待っていたような感じだった。
「名取……ここは名取教師でいいのですか……?」
伸宏は聞いた。
「構わないわよ。私は一応、ここの保健医だからね」
「承知しました……では、名取教師……『インフェルノ』は?」
「点検は済んだわ。そこの棚のケースにあるわ。余りにも重いから貴方が取って来なさい」
「分かりました……」
伸宏は名取教師が指差した金属製の棚の方向へ歩く。資料室の本棚で良く使われる普通の金属製の棚、幾つもの本が無造作に立てかけられている棚の端に目立たないようにケースが置いてあった。
伸宏はアルミケースを手に取る。
「へぇ? 初日から君が来ているなんて」
後ろから声が聞こえた。
そこには壁に寄り掛かり、手に黒い“もの”を持って喋っている『各務 航平』がいた。
持っていたのは、何故か拳銃。しかも特殊部隊が使う『USP45 TACTICAL』というドイツ製の拳銃だった。
各務はUSP45のスライドを動かし、動作確認をしている。各務が拳銃を持っているというのに伸宏はそれがあるのが当然のように普通にしている。
「インフェルノの回収、そしてその後の任務についての確認だ……」
と冷淡に答える。
「何だ、それだけか。つまらない」
と軽くため息をする。
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