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気が付けば、俺は自分のベッドの上にいた。五感がはっきりしている。現実だ。
「……今のは?」
俺は今の夢の回想をする。
──あぁ、ボヤけてる。
しかし、ボヤけていても、あの子供のことはカッチリと覚えている。とても印象深かった。
「…ダルいな」
そう呟きながら、俺、「立川 和人」は寝ているベッドから身体を起こした。閉まっているカーテンの隙間から光が差し込み、それが部屋の一部を明るく照らしている。
俺は、そのカーテンを思いっきり開いた。カッと眩しい朝日が、俺の目を眩(クラ)ませる。目に写るは、何時も慣れた住宅街だった。今日もいつもの学校生活がはじまろうとしていた。そして、同時に崩壊の時が始まろうとしていた。
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