第四話 業火の名の銃

2/12
321人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
  伸宏はインフェルノの引き金を引いた。 ズドンッ!! 銃ではない、大砲のような銃声と激しいノズルフラッシュ。右のインフェルノが火を吹いた。インフェルノのスライドが信じられない程後ろに下がり、排莢口から大きな空薬莢が飛び出た。 「グエッ!!?」 隼人の隣にいる少年が後ろに吹き飛ばされた。至近距離からショットガンを受けたかのように吹き飛ばされた。 「な……何だ……?」 信じられない光景だった。距離が30メートルも離れている筈なのに、ハンドガンで人間を吹き飛ばすなんて聞いたこと無い。少年が5メートルも飛ばされるなんて聞いたこと無い。まるで空き缶を狙った射的の的のように飛ばされて舞った。尋常ではないエネルギー。そのエネルギーを生み出したあの大型拳銃。対物銃を拳銃サイズに凝縮したような感じだ。隼人はそう感じた。 臆した時、伸宏は左のインフェルノを撃った。右とは左右対称、鏡に写したような形で、排莢口が左にある。その排莢口からまたあの大きな薬莢が飛び出た。その時には、また別の少年が吹き飛ばされていた。 「マグナム!!? スミス・ウェッソンのM500級のモンスターガン!!?」 直ぐに遮蔽物に隠れ、デザートイーグルを閉まってXM8をメインにする。ただの遊び感覚ではない、今時の言葉で言うならば「ヤバい」。そのヤバい状況に填まってしまった。  
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!