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伸宏はインフェルノの引き金を引いた。
ズドンッ!!
銃ではない、大砲のような銃声と激しいノズルフラッシュ。右のインフェルノが火を吹いた。インフェルノのスライドが信じられない程後ろに下がり、排莢口から大きな空薬莢が飛び出た。
「グエッ!!?」
隼人の隣にいる少年が後ろに吹き飛ばされた。至近距離からショットガンを受けたかのように吹き飛ばされた。
「な……何だ……?」
信じられない光景だった。距離が30メートルも離れている筈なのに、ハンドガンで人間を吹き飛ばすなんて聞いたこと無い。少年が5メートルも飛ばされるなんて聞いたこと無い。まるで空き缶を狙った射的の的のように飛ばされて舞った。尋常ではないエネルギー。そのエネルギーを生み出したあの大型拳銃。対物銃を拳銃サイズに凝縮したような感じだ。隼人はそう感じた。
臆した時、伸宏は左のインフェルノを撃った。右とは左右対称、鏡に写したような形で、排莢口が左にある。その排莢口からまたあの大きな薬莢が飛び出た。その時には、また別の少年が吹き飛ばされていた。
「マグナム!!? スミス・ウェッソンのM500級のモンスターガン!!?」
直ぐに遮蔽物に隠れ、デザートイーグルを閉まってXM8をメインにする。ただの遊び感覚ではない、今時の言葉で言うならば「ヤバい」。そのヤバい状況に填まってしまった。
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