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「そんなことが」
星森さんはちらりと横目で変態を見た。
「どうも悪魔です」
服を着た変態を改めて見ると、意外と普通の青年だ。
黒く短い短髪、八重歯が少し鋭いのが気になる。
「星森朱音です」
自己紹介をするものの、とても眠そうだ。
「おい変態悪魔」
「煮るぞこら」
「やってみろボケ。ときに、星森さんを家に戻すことはできないのか?」
「無理」
キッパリと。
「あ、私大丈夫だよ? ここからそう遠くないし」
昼間ならそれでもいいが、やはり時間が時間だ。
「いいよ。送るよ。というか送らないと駄目だろ」
ふわふわ揺れだした星森さんは目も虚ろだった。
家に着く頃には本当にふわふわ浮遊していたら大変だ。
女の子を家まで送り届けるなんてイベントも滅多にないわけだしさ。
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