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そんなこんなで中に入れば2段重なった洗濯機が壁から壁へならんでいた。
客は自分だけかと思ったが、回っている洗濯機が数台ある。
「よっ…と」
腰掛けようの椅子に洗濯物をドサリと投げるように置き一息ついた。
この洗濯物の量だ。2台くらいに分けるべきだろう。
適当に、だがあえて隣だとか上下で揃えず、距離をおいた洗濯機を選んだ。
「一人ってのはあれだけど、歌なんか歌ったりしちゃって」
まるで心細さを紛らわすかのように、童謡を口ずさむ高校2年生。
洗濯機を回しだしてからも、ウロウロと歩きながらひたすら童謡を歌い、絶えず横目では別世界のような暗闇を気にしていた。
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