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ははは、この虚しさはなんだろう。
結局小一時間、他の客の洗濯機は止まっているのに誰も戻ってこず、自分の中のライブラリは底を尽きた。
うなだれていると俺の洗濯機も終了の合図を鳴らした。
さっさと帰ろう。
べ、別に怖いからとかじゃないんだからね!
洗濯物を取り出そうとした時、ガタガタと動いていなかったはずの洗濯機が震動した。
「へ?」
さらに、今度はもっと激しくガタガタと震動した。
ま、まぁ幻聴かな。
最近は深夜アニメの見すぎで睡眠時間が削られているから、そのせいだろう。
「……あー……」
「!?」
待て待て、安心しろ俺。
きっと……、そう、洗濯機に誰かが間違えて入れた携帯電話がだな。
よくあることじゃないか。
日本映画の場合、知らない黒髪を垂らした女性が恨めしそうに後ろに立っているし、外国映画だと友達なんかがジョーク混じりに驚かしてる。
な、何かいたら躊躇わず殴ればいいんだ。
俺は決心し、勢いよく後ろを振り返った。
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