第三章・11 世界を狙う者

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  「この、エヴァンズとやらはMEMEの人間か? パイロットのようだが?」 「会話の内容からMEMEのパイロットなのは確かです。年齢は120代前後で男性。特徴として赤のカラーリングの前進翼戦闘機。硫黄島事件、2月14しかし、名前を検索しても該当する人物はヒットしませんでした。恐らくですが、偽名かと」 「なるほど。この、エヴァンズ、喋りすぎだ。我々にとって。しかし……これは良い理由になる。MEMEを日本が支援していた良い口実になる。日本を占領し、新たなエネルギー源『メタンハイドレード』の採掘権を取得出来る。更に、今更世界の頂点を目指そうと、ハリボデのハイテクに身を包んだ中国を黙らせられる。先に中国がMEMEを支援したテロ支援国家として、支援していたという口実で新たな戦争をお越し、経済面で中国を潰し、戦争経済で我が国を大きく進歩。更に日本に在日軍の駐留地を増やし、半ば占領という手もあったが、こっちがより効率的だ。我々の星条旗の星がまた一つ増える。アメリカはこの地球上に君臨する世界の盟主としてこの世を闊歩出来る」 「左様ですな」 「ところで、この会話の相手の『カズサ』とやら? 何か分かった事は?」 「はっ……実は、CIAがこの男の情報を検索しましたが、ヒットはありませんでした」 「何? 見つからないだと? そんな馬鹿な。こいつは航空自衛隊の隊員の筈だぞ?」 ここで、ジェームズは初めて余裕の表情を崩した。上総は想定外だったようだ。 「航空自衛隊にはそのような人物はいませんでした。しかし、戸籍では、ハナミガワ区チバ市チバ在住となっています。一般人です」 「17歳でか?」 「はい」  
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