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「高校生？」
「はい」
「改竄か？」
「そのような痕跡はありませんでした。上総を姓とする人間は複数人。この内、17歳でヒットしたのは『マサノリ・カズサ』のみ」
「父親と母親は？」
「父親は『ヨシノリ・カズサ』、航空自衛隊幕僚長。母親は『マミ・カズサ』、故人です」
「ふむ……」
顔をしかめるジェームズはそのまま顎に手を当て、撫でるような仕草をしながら考え込む。
彼にとって、上総は想定外の要因かつ、今後アメリカの命運を左右しかねない要因になりかねなかった。
こいつをどうするか。ジェームズはポーカーでスリーカードが手札にあって、フルハウスを狙ってカードを一枚取り、チップをレイズするか、ブタに怯えてここで降りるか。そのような状況にいる。
この男は高校生で関係ない。否、実際はこの男は高校生ではなく、航空自衛隊隊員かもしれない。ここで見逃せば、この先我々アメリカの立場や私自身の大統領としての株も下がるかもしれない。どのみち、上総は我々の脅威になりかねない。
ジェームズは顔を上げ、決断した顔をする。
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