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ドカッ!!
「おわっ!!?」
「きゃあ!!?」
丁度本棚と本棚の間、道路で言うなら十字路みたいな所に差し掛かった時、人にぶつかってしまったのだ。
「す、すま───う、うわぁ!!?」
俺は上の空になっていたせいでぶつかってしまったと、謝ろうと振り返った時、目の前に本の山が迫ってきた。違う、倒れてきたのだ。俺は流石にこれを避ける事が出来ず、悲鳴を上げながら本の雪崩に飲み込まれた。その図書室に俺の悲痛な悲鳴と相手の悲痛な悲鳴が響いた。
「っつ、てぇ………す、すまねぇ!! 余所見してたばっかりに───!!」
顔に被さった古そうな本を掃い、謝りながら体を起こす。
「ごっ、ごめんなさい!! 私の方が前を良く見ていなかったもので───!!」
向こうも俺に向かって謝る。だが、俺はその声に「えっ?」と声を上げた。素っ頓狂とまではいかないが、いつもより高い声を出してしまった。謝った声が女だったのだ。誰だと思い、俺は声がした方向に顔を向ける。そこにはどれだけの量の本を運んでいたのだろう、大量の本が散乱し、その本の瓦礫の山の中に頭を抑えている女の子らしいのがいた。それを見た俺はポカンとする。そして、その女の子も俺に気付いたのか本の瓦礫を掻き分け素顔を晒し俺の顔を見る。
暫く俺とその女の子はポカンとしたまま、見つめ合っていた。
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