第四章 闇千代の試練・極み

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 やっぱりカップルが多いなぁ。  結構並んでいる。 昴「これはすぐ乗れそうにない…」  へこむ俺に聖司はポンと叩く。 聖司「むしろこれはちょうどいいんじゃないか?」  俺はこの意味がまだ分かっていなかった。  順番が回ってきてゴンドラに乗った。  ゆっくりと上がっていく。  地上に居る人がだんだん小さくなっていく。  例の大佐の言葉は言わないからな!  広い景色が見えてくる。  そして目に入ってきたのは。 昴「………きれい…」  なにも遮る物なく夕日の光を浴びる。  沈みかけの太陽。 聖司「な?ちょうどよかっただろ?」  こんなきれいなの見たら男の心がなくなっていく。  俺は無意識に聖司に寄りかかっていた。  この時間が永遠に続いたらいいのにと思った。  無常にもこの世には永遠が無い事を知らされてしまった。  ゴンドラが地上に戻り俺達は降りた。  遊園地を後にし、家に向かった。  もっと遊びたい。  もっと聖司と居たい。
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