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ミニスタ第二地区。
仮想空間であるこの場所で、今まさに卒業演習が行われていた。
「ツバサ、この卒業演習が終わったらあんたどうすんのよ」
壁際から前方を覗くと、銃を構えながら三人の生徒たちが歩いている。
ほぼ無傷。恐らく一番後ろの奴はウィザードだ。周囲にファイアウォールを展開している。
「どうって、まだ決めてないけど」
静かに距離を詰める。気づかれたら人数的に不利なのはこちらだ。慎重に、確実に行動しなくてはならない。
「はあ?あんたまだ進学先決めてないわけ?いい加減なのも大概にしなさいよ」
「シッ、静かに、ウィザードがゲートをハッキングし始めた。襲撃するなら今がチャンス」
ウィザードがゲートに手のひらを付け、コードを解析している。何やら手こずっているようで、額から汗が流れ落ちた。
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