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ダッダッダッ
いくつもの木々が視界から消えていくがまた次の木々が視界に入ってくる
「おい!!咲登!!
まだ着かないんですか!!」
明らか荒々しくなっていた
「もう着くさ!!
あとは町を抜けるだけだ!!
しっかり前を見ろよ」
「あぁ……すまない
少々我を忘れてたよ
」
咲登の一言で秀道は正気に戻った
咲登達は町の中をひたすら走っていた
そして城門が見えてきた
「秀道!!
城門が見えてきたぞ!!
……おい、秀道聞いてるのか!?」
秀道の返事が帰ってこないのに疑問を持ち秀道のいた方向に目を向けた
妙に人がざわついている
目をこしらえると
そこには小さな女の子と大男がいた
咲登は急いで秀道の元へ向かった
「秀道いったいどうしたんだ?」
真剣な顔で秀道にきいた
「いやここにいる方がここにいる子に暴力を加えた挙げ句
盗みまでしたようだから城に連行しようと思いまして」
「連行なら俺にまかせ……」
咲登が言いきる前に秀道が割って答えた
「いや私がやります
ちょっとこいつの事が許せなくてね
悪いなそこにいる女の子の手当てをお願いします」
「はいはい
ではよろしく~」
咲登は軽く返答して女の子の元へ歩みよった
「お嬢ちゃん
今怪我を手当てしてあげるからね」
爽やかな笑顔で女の子の手当てに取りかかった
「お前みたいなやつに捕まる訳ね~だろ
何度も俺様を捕まえにきた奴を返り討ちにしたわ」
皮肉混じりに豪快に笑った
「ほ~ぅ、あなたが城で噂のお尋ね者ですか」
「おぉう!!
俺様がかの有名なお尋ね者
ダイヤ様だ!!」
「うわぁ……
ネーミングセンス悪いですね」
引いたように返答する秀道
「お前……絶対にぶち殺す
BROOOOOOOOOOOO!!」
かけ声と共に襲いかかってきた
「短気は損気
小さなことでキレる時点で器が小さな男
よくもまぁ今まで逃げてこれましたね……
そうか私達の警備隊が弱すぎなのか」
秀道は不思議そうにぶつぶつと独り言を呟いた
「ごちゃごちゃうるせぇぞ!!」
お尋ね者ダイヤは分厚い右拳を力一杯フックをするように振りかぶってきた
「あらあら
隙があり過ぎ、そんなんじゃまともな力は出ませんよ」
秀道はお尋ね者ダイヤの右拳を右の掌で受けた
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