休日

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6月某日。梅雨入りをしたばかりだというのにこの日は妙な晴天に恵まれた。 そんなある日、一人の中年男子が自宅で休日を満喫していた。 47歳、名前は「田中五郎」 いつもは仕事に追われてのんびりする時間がない彼、たまの休日に家にいても妻や娘・息子に貶されては細かな雑用を押しつけられる日々。 典型的な「尻に敷かれている」状態なのだ。 しかし今日は違う。 久しぶりの晴れ模様という事で、妻は午後から子供たちを連れて隣町に最近出来たというショッピングセンターへと出掛けていったのである。 五郎は自宅で留守番を任された、だがそれは願ってもいない幸運。 「いやぁ、久しぶりにのんびり出来るなぁ」 うきうきな五郎は昼間から缶ビールを空け、ワイドショーを見ながらソファーでくつろいでいた。 何もない午後、何もないからこその平和・・・ 窓から射し込む弱い陽射しが妙に暖かく、五郎を夢の世界へと誘おうとしていた。 しかし、悲劇は突然音を立て訪れたのであった。
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